
イントロダクション — 普段を脱ぎ捨てる“ゆっくり”の時間
旅とは、目的地だけでなく「どう移動するか」も大切な体験です。特急「かんぱち・いちろく」は、博多から久大本線(ゆふ高原線)を経て由布院・別府へと向かう、移動そのものが目的になる列車。デザイン性の高い座席や一枚杉のカウンター、そして曜日替わりで登場する地元のこだわり料理が、短くも濃密な時間を演出します。

運行ルートと運行パターン
「かんぱち号」は博多→別府方向、「いちろく号」は別府→博多方向で運行され、博多〜別府間を約5時間かけて走ります。運行日は列車名ごとに設定されており、片道1便の運行パターンが基本です。旅行代金・予約方法・当日の運行情報は公式ページで必ず確認してください。
車窓の見どころ — 久大本線(ゆふ高原線)が見せる自然の物語
久大本線の車窓は「変化」が魅力。筑後平野から山間部へと景色が移り変わり、天ヶ瀬の渓谷、玖珠の峡谷、慈恩の滝、由布岳(豊後富士)など、列車ならではの距離感で次々と現れる風景が旅心を刺激します。博多から向かう場合は進行方向右側の座席が由布岳などの山景色を楽しみやすいことが多いので、窓側の席を確保するのがおすすめです。
- 天ヶ瀬エリア:渓谷と温泉街の佇まいが車窓ににじむ。写真スポットが点在します。
- 玖珠〜野矢付近:杉林や峡谷を抜ける区間。森の緑がまぶしい季節は特に美しい。
- 由布院付近:由布岳を臨む堂々たる展望。晴れた日は「豊後富士」の姿が車窓を支配します。


車内デザイン — 一枚杉カウンターと座り心地の良い椅子
車内は、木の質感と現代的なデザインが調和した落ち着いた空間。特に一枚杉のカウンターは視覚的にも触感的にも存在感があり、料理を待つ時間さえ心地よく演出します。椅子は長時間の乗車でも疲れにくいよう設計されており、座ること自体がくつろぎになる設計です。こうしたデザイン面の配慮は、列車の「滞在時間」を豊かにしてくれます。

曜日替わりのこだわりの食事 — 地元名店が日替わりで腕を振るう
かんぱち・いちろくの大きな目玉は、曜日ごとに担当店が変わる日替わりのお弁当(食事)です。福岡・大分の名店が週替わりでメニューを提供し、食器やお重にもこだわり(例:日田杉の専用お重を使用)、列車という空間でその土地の味を存分に楽しめます。車内では客室乗務員が席まで運んでくれるため、席に座りながらゆったりと味わえるのも魅力。
(参考)運行日によって担当するジャンルや店舗が変わるため、事前に「その日の提供店」やメニューを公式サイトで確認してから旅程を組むと、より満足度の高い体験になります。

立ち寄り駅の楽しみ方 — 下車して味わう“地元”の時間
列車の途中停車や短時間の立ち寄りを活用して、駅周辺の散策や名店訪問を組み込むのもおすすめ。たとえば由布院では湯の坪街道の散策、天ヶ瀬や日田周辺では渓谷や温泉、地元の小さな店巡りが旅の彩りになります。立ち寄りで下車する場合は、次の列車の発車時刻を確認して行動してください(ダイヤは常に変動しうるため、公式の時刻表で事前確認を)。
おすすめの席と旅のコツ
- 右側の窓側席:博多発で由布岳や山景色を楽しみたいなら右側を選ぶと見どころが多いです。
- 一枚杉カウンター(2号車):かんぱちいちろくの見どころ。
- カメラを構える方:鉄橋を渡る区間や峡谷の連続する区間はシャッターチャンス。発車前に窓側を確保しましょう。
- 予約のコツ:週末や連休は混雑しやすいので、発売開始と同時に押さえるか、平日運行のいちろく/かんぱち運行日の違いを狙ってみると取りやすい場合があります。
最後に — 五感で味わう“かんぱち・いちろく”
かんぱち・いちろくは、車窓の景色、木の質感、料理の香りと器の手触り──すべてが揃ってはじめて完成する体験型の列車です。特別な日や大切な人との時間を、列車という舞台でゆっくりと演出してみてください。予約情報や当日の提供メニューは公式で最新情報を確認のうえ、お出かけください。


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