富山駅から始まる、特別な列車旅
あいの風富山鉄道が運行するレストラン列車「一万三千尺物語」。
富山駅を出発し、黒部、高岡で折り返して再び富山へと戻るコースで、車内では越中懐石を味わいながら、富山の景色と時間をゆったり楽しめます。
移動が目的ではなく、乗っている時間そのものを楽しむ列車。
ホームに入線した姿を見た瞬間から、普段の列車とは違う空気を感じました。

落ち着いた車内と、ゆとりある座席
車内は木の温もりを感じる落ち着いた空間で、座席の間隔にも余裕があります。
今回は、立山連峰を望めるカウンター席に座りました。
大きな窓に向いた席からは、天候に恵まれれば富山らしい雄大な景色が広がります。
食事と車窓を同時に楽しめるのは、レストラン列車ならではの魅力です。



走行中も楽しませてくれるアナウンス
一万三千尺物語では、運行中にガイドによるアナウンスが途切れることなく続きます。
走っている区間の見どころや、これから停車する駅の案内、沿線の話題などが軽やかに紹介され、初めての路線でも安心して楽しめました。
静かすぎず、にぎやかすぎず。
ちょうどよい距離感の語りが、旅の雰囲気をより豊かなものにしてくれます。
割烹 五万石監修の越中懐石
食事は、富山の老舗「割烹 五万石」が監修する越中懐石コースです。
地元の食材を生かした料理が、走りゆく景色とともに提供されます。
列車の中とは思えないほど丁寧に仕上げられた料理で、
「食事のために乗る列車」であることを実感しました。

料理の提供にあわせて、この日の越中懐石のおしながきも用意されていました。
品数や構成を眺めながら、これから始まる食事への期待が自然と高まります。

黒部・高岡で折り返す、変化のある車窓
列車は黒部で折り返し、さらに高岡へ。
同じ路線でも、行きと帰りで車窓の印象が変わるため、景色を眺めていても飽きることがありません。
アナウンスを聞きながら景色を追っているうちに、距離以上に「旅をしている」という感覚が積み重なっていきます。
食後の楽しみ、引網光月堂の上生菓子
コースの締めくくりには、富山の老舗和菓子店・引網光月堂によるオリジナル上生菓子が提供されます。
見た目にも美しく、食後のひとときを穏やかに締めくくってくれる一品でした。

車内に感じる、さりげない遊び心
車内では、車掌さんの帽子をかぶったご当地ぬいぐるみなど、思わず目を留めてしまう演出も見かけました。
格式張りすぎず、どこか親しみやすい雰囲気が、この列車の魅力のひとつです。

再び富山へ。旅の余韻は環水公園へ
黒部、高岡での折り返しを終え、列車は再び富山駅へ戻ってきます。
下車後は、駅近くの環水公園へ足を延ばすのがおすすめです。
夜の環水公園はライトアップが美しく、列車旅の余韻をそのまま楽しめる場所です。

一万三千尺物語は、富山を深く知るための列車
一万三千尺物語は、華やかさを前面に出すレストラン列車ではありません。
料理、車窓、アナウンス、そのすべてを通して、富山という土地を丁寧に伝えてくれる列車です。
ゆっくりと流れる時間の中で、富山を味わいたい。
そんな人にこそおすすめしたい、上質な列車旅でした。


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