【乗車記】海里往復旅|日本海の夕日とアル・ケッチァーノの美食、駅前1分「月のホテル」で叶える最新・酒田1泊2日プラン

【北海道・東北】

新潟から酒田を結ぶ観光列車「海里(かいり)」。きらめく日本海の絶景を大きな窓から眺める時間は、何度乗っても胸が躍ります。

実は最近、終着駅である酒田駅前が美しく再開発され、旅の快適さが劇的に向上したのをご存知でしょうか。駅前1分に誕生したモダンな「月のホテル」を拠点にすれば、大きな荷物をすぐに預けて、手ぶらで最高の酒田観光へ出発できます。

今回は、あえて「食事なしの指定席プラン」を指名して日本海側の極上席を勝ち取った予約の裏ワザから、出羽三山を望む爽快なサイクリング、そして酒田フレンチの名店での感動ディナー(もしくはランチ)まで、新しく生まれ変わった酒田を遊び尽くす最新の1泊2日プランをお届けします。


【座席の罠】おすすめ座席は海が見えない?私が「指定席」を選んだ理由

海里には「4号車・食事付きプラン」と「1〜2号車・指定席プラン(乗車券+指定席券)」の2種類があります。

海里で最もおすすめの座席とされるのは、窓側を向いて外向きに配置された4号車の食事付きペアシート(5AB、6AB席)です。しかしここに、初めて乗る人が必ずハマる「最大の罠」が隠されています。

実は、新潟発(下り・酒田行き)の場合、この4号車ペアシートや2号車のコンパートメント席に座ると、座席が「山側(右側)」を向いた配置になります。もちろん、広大な庄内平野や鳥海山側の景色は素晴らしいのですが、「笹川流れの海景色を正面で見たい!」という目的の場合、視線が完全に真逆になってしまうのです。

これが、私が今回あえて食事付きプランを選ばず、乗車券のみの「1号車・指定席プラン(海側のA席)」を1ヶ月前の10時ジャストに狙い撃ちして予約した理由です。

「豪華な席だから」「食事付きだから」と下り列車で4号車を選んでしまうと、海が見えなくて後悔することも……。この座席の向きの仕組みを理解しておくことこそが、海里旅を成功させる最大の鍵になります。


【予約のコツ】食事付きプランと事前予約お弁当の攻略法

もし「食事付きプラン(4号車)」で乗りたい場合は、発売時期のチェックが欠かせません。例年、「1月末と8月あたり」に数ヶ月分が一斉に発売される傾向が強いため、この時期は公式サイト(えきねっとなど)の情報を要チェックです。

一方で、私のように「海を見るために1号車の指定席プランにしたけれど、車内で美味しいものが食べたい!」という方にも、素晴らしい解決策が用意されています。

それが、指定席購入者だけが申し込める「事前予約の海里特製弁当」です。うけとりっぷ(モバイル列車商品受取用サイト)から乗車前に予約しておけば、車内で受け取って座席で庄内の味覚を楽しむことができます。

さらに、乗車したらすぐに3号車の売店へ走りましょう。
車内販売限定の「鮭の焼き漬け」は、お酒のお供に最高の大人気グルメ。一瞬で売り切れてしまうため、席に荷物を置いたら真っ先に確保するのが鉄則です。

鮭の焼き漬け、最後の1皿を入手
山側の車窓風景

笹川流れの停車時間と、幻の「海里特製アイスクリーム」

指定席プランを選んでも、海里ならではのお楽しみはたっぷり用意されています。

走行中、列車は名勝「笹川流れ」の絶景ポイントで速度を落とし、季節によっては最寄り駅の「桑川(くわがわ)駅」で約20〜30分間停車してくれます。

一度ホームへ降りて、隣接する道の駅「笹川流れ夕日会館」へ走りましょう。ここで狙うべきは、この停車時間の間だけしか手に入らない「海里特製アイスクリーム」です。

海里特製アイスクリーム
夕日会館展望台からの絶景

海岸の散策、展望台からの笹川流れの美しい海の眺め、お土産購入―海里ならではの充実したひとときです。

【復路】これぞ旅のクライマックス。アル・ケッチァーノの美食と日本海の夕日

酒田駅からの復路(新潟行き)は、待ちに待った「4号車・食事付きプラン」の本領発揮です。

復路を締めくくるのは、庄内が誇る天才・奥田政行シェフの銘店「アル・ケッチァーノ」が監修する至高のイタリアンコース。車内へと運ばれてくる一皿は、地元の新鮮な海の幸・山の幸の旨みが限界まで引き出されており、一口ごとに感動が広がります。

アルケッチャーノのイタリアン、さすがの一折

そして、この美食にこれ以上ない彩りを添えてくれるのが、車窓に広がる日本海のドラマチックな夕日です。

海里の4号車から眺める、水平線へとゆっくり沈んでいくオレンジ色の太陽。刻一刻と空の色が変わり、海一面が黄金色に染まっていくグラデーションは、息を呑むほどの美しさです。自分の確保した座席から、遮るもののない大パノラマでこの絶景を独り占めできる瞬間は、まさに言葉を失うほどの贅沢でした。

日本海の車窓を眺めながらいただく至高のイタリアン
終着駅近くでの夕景

往路であえて指定席を選んで胃袋と体力を温存し、復路でアル・ケッチァーノの美食と夕日のポテンシャルを120%解放する。これぞ、何度も海里に乗ってきたからこそ辿り着いた「大人の海里旅」の完成形です。


【宿泊】鳥海山を望む特等席。駅前1分「月のホテル」の賢い選び方

酒田駅に到着したら、まずは駅を出て目の前にある「MIRAINI」へ直行、「月のホテル」フロントへ。チェックイン前でも大きな荷物を快く預かってもらえるため、一瞬で「完全な手ぶら状態」になって観光へ繰り出せます。

酒田駅前MIRAINIとコミュニティバス
MIRAINI内に「月のホテル」「ル・ポットフー」が入っている

このホテルを予約する際は、部屋の向きにこだわるのがプランナーの鉄則です。おすすめは、雄大な山容を窓から一等に望める「鳥海山が見えるお部屋」。人気のため、早めに一休.com等で押さえておく必要があります。

また、酒田駅前は再開発で新しくなったものの、夜遅くまで開いている飲食店は限られています。「行きたいお店が具体的に決まっていない」という場合は、ホテルの【2食付きプラン】で予約しておくのが、旅の夜を失敗させないための確実な正解です。

【美食ガイド】酒田フレンチの伝説。名店「ル・ポットフー」

もしホテル外での夕食、または翌日の贅沢なランチを計画するなら、酒田フレンチの代名詞である名店「ル・ポットフー」の予約を強くおすすめします。「MIRAINI」内にあり、迷いません。

映画監督や作家など、多くの文化人に愛されてきた伝説のフレンチ。地元の庄内食材をクラシックかつ洗練された一皿に仕上げる技は、わざわざ海里を乗り継いででも訪れる価値があります。(※こちらは一休.comでの取り扱いがないため、公式サイトやお電話での事前予約が必須です)

実は1回目に海里に乗った時は日帰りだったため、食事付きプランを選びました。しかし、「酒田に泊まる旅」にするのであれば、海里は指定席プランにしておき、胃袋のすべてをこのル・ポットフーのディナーに捧げる、というのが大人の美食パズルの究極の完成形です。

歴史を感じる名標
代名詞でもある逸品、ガザエビの濃厚クリームスープ

【観光】歴史とアートが響き合う、プランナー厳選の酒田巡り

「MIRAINI」には酒田駅前観光案内所も併設されています。ここで旅の情報を仕入れたり、無料の観光自転車をレンタルすることもできます。

山居倉庫(さんきょそうこ)

酒田のシンボルである、明治時代に建てられた米保管倉庫。裏手に並ぶケヤキ並木や、冬の凛とした空気の中に佇む姿、鮮やかな緑の銀杏並木など、季節によって美しく表情を変える景色は必見です。

新緑の山居倉庫ケヤキ並木

土門拳写真美術館(※要計画・写真リフレクション)

山居倉庫から少し足を延ばして訪れたいのが、日本初の写真専門美術館。建物自体が名建築家・谷口吉生氏の設計で、そこから望む山並みの風景が実に見事です。
周辺の散策コースでは、池の水面に建築や自然が美しく映り込む「映えるリフレクション写真」を撮ることができます。駅から少し距離があり見応えも十分なため、計画的にスケジュールを組むのがコツです。散策路もあり、見ごたえのある場所でした。

池越しの美術館
美術館回りの散策路
丘からの絶景

北前船の歴史に触れる「本間美術館」

江戸時代、日本海を舞台に富を運んだ「北前船」の寄港地として栄えた酒田。その繁栄を今に伝える本間美術館や国指定名勝の庭園を訪れると、これからが本当に楽しみなこの街の深い歴史ロマンに触れることができます。


結び:移動手段から「美食の目的地」へ

あの日、食事付きプランの座席の向きに驚き、工夫を凝らして指定席プランを勝ち取ったことで、私の海里旅は「100点」から「120点」へと進化しました。

ただ乗るだけでなく、駅前再開発で生まれた「月のホテル」に泊まり、伝説の「ル・ポット・フー」でフォークを動かす。これこそが、大人のレストラン列車旅の醍醐味です。

あなたも、日本海ブルーの絶景と庄内フレンチを組み合わせた、最高の旅のパズルを完成させてみませんか?


🚩 この旅を現実にするための次のステップ

海側のA席をピンポイントで予約する裏ワザ

鳥海山を望む2食付きプランを確保する


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